ボツワナ22年版振り返りをきっかけに、ゲーム制作の要点のお話。その4。

さて、だいぶ間が空いてしまいましたがボツワナの話を再開しましょう。今回は結果ボツになった案のお話。

【ボツワナ22年版の製品仕様が決まるまで】
新たにリリースした22年版ボツワナをきっかけにゲーム作りやデベロップメントの話…ということでスタートしたものの、書き始めるとこの話も、それならあの話も、となり(笑)、ようやく今回のゲーム製品としてのボツワナの話に入ります。という所でまたしても話すべきかどうか…という小さからぬ要素があるのですが。実の所、今回のボツワナを出すにあたっては、実際に出たボツワナとは相当違うアイデアについて頭に昇らせていて「ダメ元で」と動いてみてもいました。それはあるIPのイラストを使ったボツワナをリリースできないかな、という構想でした。

分かり易くマンガ、アニメのキャラクターでは無いものの、昔から世の中に確実な馴染みはあって、最近特に展開が目立っていて好感度も高く、明らかにボツワナと親和性が高いなあ…と感じていたあるIPがありました。ボツワナというゲームの社会の中で置きたい立ち位置を考えた時、結び付けられたら大きなチャンスがあるのではないかなと思い至ったんですよね。「流石に無理かな」とは思いつつも一方「誰もテーブルゲーム出版に使うというオファーはかけていないのではないかな?」と思って権利元に問い合わせ、担当者さんとコンタクトを取ったりはしました。結果的には新規のコラボ先を増やす予定が現状無いので、という理由で断られたのですが、とにかく聞くだけは聞いてみた、という動きはしました。これを聞くにあたってはKniziaサイドにはこういうものとコラボしてのバージョンの出版はあり得るのか問い合わせて許可をもらったり、というような事前の準備はしたので、実現できたら良かったなとは思うのですけどね。

終わった話ではあるわけですが、何でそのIPの力を借りると良いのではないかと思ったかと言えば、それは自分がボツワナというゲームをどういう風に世の中に出していきたいかということを考えた時に親和性が高い、シナジーが期待できると思ったからです。まず「ファミリー」を想起させる、好かれて嫌われないキャラクターなのが良かった。そして認知度や好感度から本来遊ばなかった人がボツワナを遊ぶようになる突破口が作れるかもしれない、ということ。実現できなかったわけですが、私たちがボツワナを新たに世に出すうえで、大切にすべきことは何なのかということを本気で捉え直す良い機会にはなった形です。

さてそれではどうしようとなった時、「ペンギンパーティでイラストをご担当いただいたgooさんに今回お願いしよう」という発想に至るまでにはそう時間はかかりませんでした。動物のゲームで、一般向けのファミリゲームで…となった時、先行して成功を収めているペンギンパーティの形を(gooさんの新たな絵柄で)もう一度やってみたいな、という点と、gooさんとペンギンパーティ以来お仕事をさせていただいてないため、という点もありました(前回はタンサンさんに仲立ちしていただく形だったため直接コミュニケーションを取ってはいなかったのですが)。これから仕様を決めていく…というなかでも「従来のプラスティックフィギュアは入れない」ということだけは実質先に決まっていたので(今やったら簡単に5000円以上のゲームになってしまう)、そうなると「イラストの方からの魅力強化+新版の方向性の打ちだし」というのをその分やってパワーアップを図りたい、というのがお願いした一番大きな理由でした。前回の英語版の各種リソースをそのまま使ったローカライズとは違い「自分がプレイヤーの皆さんに描いてほしいボツワナというゲームのプレイのイメージ」を作れる/作らなければいけない。「フィギュアでなければ…大型の木製コマが良いだろうな」とうっすらイメージしていく中で、その木製コマを良い感じに作り、その木製駒と良い地点で集合できる方向性のイラスト。gooさんなら描いていただけそうだ…と思いました。もちろん実現の上で様々なことをすり合わせる労力は双方に起こるだろうと思いましたしそれがどれだけのものになるか…という心配は常ながらありましたが、ただ乗り越える価値はあるだろうと。初めてお声がけした所有難いことに前向きなご返答がいただけ、一回ご足労をいただいてのミーティングを経て着手していただくに至りました。

…という所で本日はこのへんで。ようやく実際に作ったボツワナの話を次回致しましょう。