2021年途中経過。ユーロゲーム紙書籍、予定通り出ます。

本日は、先日ご案内しておりました書籍「ユーロゲーム」の刷り上がり現物が無事弊社倉庫に着荷し…、
と言う程担当してる各人にはホントの「無事」では無いのですが、まあ何とか発売日を守れるような状況となりました。
お陰様で引き続き予約をいただいておりまして、自分達としては予想以上の反響に喜んでおります。

…、という所で念のため言っておきますと、この予約数とかは全く3桁、それも100冊とか150冊とかいう話で、
この辺の規模は自分達が仕事を始めた15年前とほとんど変わっておりません(笑)。
一方でコヨーテなどの売れ行きの良いカードゲームは通算販売部数5桁に達している。
かつての自分達は売れる見込みが大きい物も小さい物も、「等しく4桁」みたいな意識で商っていたんですけども、
時が経ち色々なことを学んだ中で、商業的な側面ではそれぞれの出版物に身の丈に合った規模を与える、という形に着地しています。
自然に5桁になるものもあり、自然に3桁にとどまるものもある(実売だと何だったら2桁に留まる物も平気である)。

自分達の取り扱っているものがすべからく2桁3桁に留まってしまいますと流石に仕事にならないですし、
5桁になっているものがあるからこそささやかながら今日のような活動が続けられているわけですけれども、
2021年の自分達として大事で、そしておそらくは独自性もあるかなという所が、
「出版部数、販売部数に偏重した活動をしない」ということかなと思います。
正味な話、純然と利益を上げることにまっしぐらでしたら、5桁売れているものの売り上げを6桁にすることに東奔西走するのが良いのかもしれません。
少なくとも短期的には。
コロナ禍が長期化しており弊社としても決して順風満帆な営業状態というわけでもなくなってはおりますから、
四の五の言わずそういう風にせえよという自分への気持ちがゼロというわけでも無いのですが(笑)。
でも結果としてはそう動いていないし、それはNGOにいる各人の総意かなと思っています。
誰もそう言うことは言いだしてない(笑)。

国内のボードゲーム商業の中で、自分が納得できる、様々な面で意義の感じられること。
皆様に「良いんじゃないか」と思ってもらえて自分達も「こういうのが良いと思っているんです」
という両者の感覚が一致しそうな所を探してやってきましたので、
それである程度成立させていただけ、10年以上にもわたり続けてこれた後で、
いきなり「この世知辛いご時世そんなあやふやな話知ったこっちゃ無いぜ~」みたいな動きをしたい気には流石にならない。
というかやっぱり全然ならない(笑)。
自分達が面白いと思っていてかつ儲かるゲームというのはそれは大歓迎な訳ですが、
出しときたいなあ、まあ儲からないんだけど、という書籍に関しても「まあ儲からないんだけど出すんだけど」で今後も行けたらなと。
利益の儲かる物ほっぽらかしてはできませんが、「いや、でも出しときたいんで」という自分達のもう一つの物差しを持ってまっせー相変わらず、
というのがNGOの存在意義の一つかなと思います。

今のこの状況、どこもかしこもたいへんですが、この姿勢を保ったまま滅びず続けられたら良いな~と思っている2021年9月です。
「まあ儲からないんだけど」なんて言いつつもユーロゲーム、一冊売れる度に僕らは喜んでますので良かったら是非ご一読ください(笑)。
「今ちょっと集まってゲームは控えてるんだよな~」といった皆様、
その空いた時間にでも読んでいただけたら嬉しいです。

書籍『ユーロゲーム』紙書籍予約/電子書籍販売を開始しています。

NGOのTwitterでは既にお知らせしておりますが、スチュワート・ウッズ著の書籍、
『ユーロゲーム』の日本語版出版を9月末に予定しており、現在下記にて予約販売を開始しております。
電子書籍版は既にダウンロード可能となっておりますので、ご予約・注文いただきましたら直ちにお読みいただけるようになっています。
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●『ユーロゲーム』ソフトカバー版(税込3300円)予約ページ
https://newgamesorder.booth.pm/items/3145276
※9/24までにご予約の場合、特典として電子書籍版を今すぐダウンロード可能です。

●『ユーロゲーム』電子書籍版(税込2200円)販売ページ
https://newgamesorder.booth.pm/items/3159818
※紙書籍が不要の方向けです。

●『ユーロゲーム』電子書籍(Kindle)版 Amazon販売ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/B09BJTPTQQ
※Kindleで読みたい方はこちらをどうぞ。
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ニューゲームズオーダーでは数年来ボードゲーム関連書籍…、特に学術的な方向性の書籍をいくつか出版してきております。
ずいぶん以前になりますが、沢田が「海外ではゲーム研究の本が出ているんだけどまともに日本語になっていないんだよ~」
と嘆いていたのを聞いて、軽~く「一番必要を感じている人が自分でやるしかないんじゃないの?」
と消しかけたのをおぼえています。
彼は身内ながら立派な人で(笑)、翻訳の大部分も自ら手掛け、ついにこの度この重要書籍の出版に漕ぎつけた…ということになります。
数年来「『ユーロゲーム』がまだ出せない!」という話を聞いていた気がします。

上記のサイトで予約販売を開始してからしばらく経ちましたが、お陰様で既に多数のご注文をいただいております。
私が今のタイミングでこのブログを書いておりますのは…今日時点で一応一通り読み終えたからです(笑)。
「大事な本だ」ということは長年話には聞いていたわけですが、自分で読まずにご紹介というのは流石にダメかな、ということで、
…何とか読み終わりました。これを英語で読んでらした方々のご苦労には頭が下がりますし、是非この日本語化された機会に、
ボードゲーム、ユーロゲームにかかわる多くの皆様にお読みいただきたいなと感じております。
いや~、ホントに読んでいただきたい。是非。

内容は、ど直球のタイトルの通りなんですが、「ユーロゲームとはつまり何か?」という問いに、
正面から組みついたような内容になっています。
自分としても、長年にわたり「誰かに基礎を置いてほしい」と思っていた「自分達の範囲のゲーム」に対して、
「よし、私がやりましょう!」と血気盛んにスチュワート・ウッズさんが手を挙げて、そして実行していただいた…、という印象です。
「よくこんな厄介な役割を背負いましたね…」と思ってしまう(笑)。もう、読んでてなんか尋常じゃない気合、使命感を感じました。

一応学術書…のはずなんですが、著者のマインドの本籍は根っこから「ボードゲーマー」というのがビシビシと伝わってきます。
ユーロゲーマーと言った方が良いんだろうか…とにかく、「ボードゲーマーが頑張って学問やってる」って感じなんですよね。
話の展開の中ではボードゲームギークで得た愛好者からのアンケートを全編にわたり大幅に活用している(というかブン回している)ので、
ところどころ「はい、こいつが今すごい良いこと言ったよ!」みたいな引用が多発していて、
「愛好者の金言集」みたいな様相も呈しておりまして…、と、この表現は良いんだろうか(笑)。

前半の、ジャンルがどういうゲームの出版の経緯や関係者の社会活動を経て成り立ってきたか…、
というパートは、まずこれだけでもコンセンサスの土台とするのにかなり有用かなと思います。
自分としてはぼんやりと把握してきた「卓上ゲーム半世紀の流れ、通史」みたいなものが概ね著者と共有されてるのを確認し、
「あ、やっぱりそんな感じですよね」となりました。
そんな中でも「え、それってそうなの?」みたいな部分も多々あり、単純にボードゲームの読み物として面白く興味深いので、
最近ボードゲームにはまって、単純に色々知りたい、詳しくなりたい!みたいな方にもいいのではないかと思います。

中盤では「で…ユーロゲームってつまりどういう要素で構成されているのよ」ということが考察されて行きます。
これもまたなかなかに骨が折れるというか地道な分析が行われているんですが、
学術書という印象からは程遠いくらい、色んな重要ボードゲームの話が例に取られて行くので楽しく読めます。
シンプルに、ここに出てくるゲームの中で未プレイの物を遊んで行ってみる…という感じでも良いのでは、
というくらい、「そうね…重要だよね」というユーロゲームが紹介されつつ論じられて行きます。
最近ボードゲームを始めて、熱心に遊んでいる方々にとっては意外と未プレイのゲームだらけなのではないか…、
と思える辺り、「ユーロゲームの現場って今どうなってるんだろう」という気持ちも生じましたが。
とにかく、遊んだことなければ是非どうぞ、というゲームの話が沢山されています。

後半部では、結局のところユーロゲームを語る上で一番難しく挑戦的な話になります。
遊ぶ「人」の話。プレイヤーとはいかなるものか、という話ですね。
今まで弊社で出版してきた学術書と比べても、著者の「ユーロゲームコミュニティの一員」感がビシビシと感じられ、
ボードゲームギークのアンケート回答者の骨のある言葉とともに、学術書なのか、
気心知れたボードゲーマー同士のゲーム会の打ち上げなのかわからないような話が展開されています。
よくこんな本出したな(笑)!で、訳したな(笑)!と感心してしまいました。

「私はドイツ、ユーロのボードゲーム、本気で好きです」というような方は、読んでおきたい本ではないでしょうか。
「君が好きなものはつまり、どういう物?」という問いを(外から)ぶつけられた時、
「『ユーロゲーム』にはなんて書いてあったっけ」と参照しても良いような本ですね。
この系統のゲームを語る上では、前提として、一回これを踏まえたら良いのではないか…と思うような本でした。

9月24日までに紙書籍版をご予約いただけますと電子書籍もついてお得です。
ご注文いただけると、仕事の傍らこの太い本を長年うんうん訳していた沢田くんが報われるかと思いますので(笑)、
よろしくお願い致します。

NGO通販でのB級品販売開始のお知らせ、と、ダメージ品・不良品の事情のご説明

お久しぶりです!とまた数か月ぶりにブログ書いておりますけれども。
タイトルの通り今日のお話は、NGOのボードゲームのB級品在庫の販売を開始する計画についてのお知らせです。
社内協議の結果、外箱に僅かなダメージがある物や、パーツの不足を理由に返品され、パーツを補充した物、
いわゆるB級品を、今後ニューゲームズオーダー通販で販売していこうということになりました。

https://ngoeshop.thebase.in/

メーカーとしてゲームを流通販売していますと、倉庫への入荷段階で若干数が潰れているようなケースは一定避けられないのが実情です。
(特に海外からの船便輸送の場合はある程度覚悟しておくのが普通という感じです)
もちろん入荷時に基本的には状況確認し、ダメージが広範に渡るようであれば、かけている輸送保険適用の手続きをして…となるのですが、
この処理がそれなりの手間なので、数千部仕入れて不良品が数個程度ですと、保険適用をスルーして引き取ってしまっていたりします。

また残念ながら、内容物の不足(特に木製駒)や不良(特に印刷物の折れや汚れ等)も実質ゼロにはできず、
こちらについては日々お客様やお取り扱い店様から代わりのパーツ補充のご要望の連絡をお受けしています。
改めて申し上げますと、この「パーツ補充のご要望のご連絡」のメールを、ニューゲームズオーダーに直接いただけるというのが、
非常に有難いことだなと感じます。
基本的に弊社の持っている補充用パーツや在庫分から充当した物のみを、封筒や小さな包みでお送りさせていただけますから、
(弊社の落ち度である不足やダメージについての対応を)最小限の追加コストで対応させていただけることになります。

これが一部大手通販(…つまりAmazonですが)となると、割と問答無用の着払いで商品全体が返品されてくることになります。
一部のケースでは、「何が不良品と判断されたのかわからない」ものが返ってくる場合もあり…ここらへんは別の話ですね。

ともあれ避け難いこととして、メーカーには「パーツを補充すれば遊ぶのに支障が無い開封済み商品」や、
「外装に若干のダメージがあるが中身は無事」な商品が溜まっていくことになります。
昔話ですが自分達が初めてドイツのボードゲームに触れた20年少々前は、売り場に箱のへこんだゲームは普通に売っていたし、
「輸入品だし普通普通」という感じで、多くの人はあまり気にせず普通に買っていたと思うのですが、
今となっては明らかに箱にダメージがあるゲームに気付きながらそれをそのまま出荷に回すのは難しく。
開封済みとなった商品は大抵次のパーツ欠品案件の際のパーツ取り用に回すのですが、これも量がオーバーしていきがちです。
(NGOはカードゲームが多いですから体積的にまだまだマシな方かもしれません)

…ということで最初の話に戻るのですが、現状、そして今後NGOが持っている一般出荷に回せないけれど遊べる商品については、中身や状態をチェックの上NGOオンライン通販で少しずつ売り出していくことにしました。
効率的には枯山水等、大箱ゲームが中心になる気がします。
価格的には「興味はあったけどちょっと手が出なかったけどお得に買えるなら買おうかな」と思っていただける程度の割引(3割引位ですかね)にしようと考えています。
当然個数は大規模にということはなく、1個準備できたら1個売る、というくらいです。
NGOの一般流通業務に差しさわりがあるような規模にして良いわけはないですし、
各種数十個も売り出せるB級品がある、といったような状態ではありません。

ということで、近日中にそういうアウトレット的な販売を少しずつ行いますので、
箱のキズやへこみ等、またシュリンクが付いていない、といった事に関して
「買う時そんなに気にしてないよ」という大らかな方、「少しでも購入費用を節約したいよ」という方にご利用いただければ幸いです。

2021。

明けましておめでとうございます!お久しぶりです吉田でございます!
もう新年も明けて8日ですけれども。
2020年の総括もせず、ブログ更新も半年以上ぶりになります。
個人としてはTwitter等SNSでの発信もしておりませんので、この間全くの無発信期間になっておりました(笑)。

まあこの無発信の一番の要因は、新たなボードゲーム製品を作っていないことに起因しています。
出版についてはいくつか考えて進めようとはいるものの実行には至っていないのと、
業務としては既存ラインナップの円滑な販売と増刷がメインになっているからではあります。

有難いお話、このコロナ禍の昨今でもニューゲームズオーダーの主要製品は引き続きお求めいただけておりまして、
枯山水やコヨーテを再生産完了し、もっとホイップを!も近日再入荷という感じです。
読みが少々甘くペンギンパーティとモダンアートに品切れ期間ができてしまうのですが…。
予想以上のご好評は嬉しいことです。
あと私達が製造のイニシアチブを握れていないため完全にドイツ次第のコンコルディア増刷分が、ようやく輸送段階に入りました。
品切れしてしまったコンコルディアサルサも追って来るはずです(数か月後の入荷見込みですが)。
いつになったらできるのさと思われているであろうキュプロス&バレアリカ拡張も、…流石に来るはずです。
先方は作ってると言っていた。(厳密に言えばNGO的には一応ニューアイテムですね…)

私達が長らく担当しているゲームでもこれだけ繰り返し売れてくれるのは、もちろんゲームがより一般の方々へと伝播して行っているからだと思います。
これは非常に嬉しいことです。
自分達としては、一般に広げることを意識し過ぎて過度にそれに特化したようなゲームではなく、
あくまで自分達が良いと思うゲームを遊んでいただくということを第一目標に掲げてきましたから、
それがしっかりと売れていってくれている現状は、都度都度新鮮に嬉しいです。もっとホイップを!が売れた辺りから相当嬉しい。

多くの皆様のゲームのお好みを、より一層自分達の方に引き寄せる…というのはそうそう一筋縄で行くものでは無いでしょうけども(笑)。
5年とか10年とか、そういうスパンでの長期戦の綱引きみたいなものだと思っていますし、
自分達の良いと思うゲームの販売をしっかりと続けていくことがそこにプラスになっていくと信じて、これからもやっていきます。
なかなか外に出かけてボードゲーム、というわけにも行きにくい情勢ですが、自分達は特にご家族向けに注力してやっていけたらなと。
皆さん家には帰られるでしょうからね。
愛好者向けのたいへんなやつは他の方々にお任せしたい気持ちは変わらずです(笑)。

実現していないうちにあまり言うのもなんですが、出そうとすれば出せるゲームを出版するフェイズは自分達の中では終わりを迎えつつあり、
「どう考えても売り場にあるべきなのに無いゲーム」、つまりより深くに埋まってしまってる重要タイトルを一つでも二つでも復活させるのがNGOならではのメインの仕事かな、と考えています。
何とかできたらいいんですけれども!
既存ラインナップの担当をしっかりと全うしつつ、さらに一個ずつトライしてみます。
「ボードゲームが面白い」ということの、基礎部分を担当していけたらなと。
2021年も引き続きよろしくお願い致します。

【旧B2FGamesブログより転載】