先日のコヨーテのココフォリア版の発売もそうなのですが、タイトルの通り、ニューゲームズオーダー社内で最近話し合っているのが「デジタルコンテンツ販売の強化は今後一層大事だ、本腰入れて考えていこう」ということです。
この背景としてあるのは、近年、つまりコロナ禍を何とか抜けて以降の3年あまりの、国内のボードゲーム出版/販売状況の苦戦です。「苦戦です」と平然と言い放ってしまってますが、我々ボードゲーム出版が主業ですからホント大問題ですね(笑)。2009年にニューゲームズオーダーが起業して以来15年余り、「調子良い!」と実感できていた期間はそう多くないのですが、思い返せばやはり枯山水を出版できた2014年末、2015年からはコロナが始まる直前の2019年までは相対的に言ってだいぶイケていて、それこそ2019年は「やっと事業拡大が軌道に乗ってきた!この調子で行けたら良いなあ」と希望を抱き始めた所でコロナが来て世の中が停止、これはどうしようもない、無念!となった経緯があります。2020年は巣ごもり需要と言われ一時的にボードゲームも案外売れ、「おぼつか無いけどディフェンスディフェンスで何とか乗り切れるのかなあ…そうなれば良いが」と耐えてたのですが、当然ながらそれも限界はあり、2021年2022年は本当にどうしようもなく、とにかく会社無くならないように防御姿勢で…という感じで乗り切りました。2023年くらいからはコロナからは何とか脱して来て販売も底は打ったものの、その間に国内でのボードゲームの出版タイトルが激増してきたところもあり、出版タイトルの大箱ゲームと小箱ゲームへの二極化が(欧米の後を追うような形で)日本市場でも進み、特に大箱についてはクラウドファンディングを含んだゴージャス化の影響が激しくなったところから、自分達としてはコロナ禍の頃から「今後もボードゲーム出版業を続けていくならニューゲームズオーダーはどういう風に存在価値をアピールすべきか/したいか/できるか」ということを熟考してくる中で(何せコロナ禍の半休眠時期に考える時間だけはたっぷりありました)「90年代的なドイツゲームを従来以上に小型化し、低価格化(2000円台目標)し、自分達のゲームを『より安価により多くの人達に購入し遊んでもらう』ことを目指そう」という結論になりました。そもそもニューゲームズオーダーは創業時から小箱化、価格もよりお求めやすく、という方向ではあったのですが、15年の経験の中で生産の上で実現できる幅は何とか広げられ、「2020年代中盤の今の出版販売状況で上手く行き得るならば?」ということから逆算したのがこれでした。
簡単では無かったですが近年のドラダ、ボツワナ、モダンアート、ラー、キャント・ストップ、魔法にかかったみたいと言った所は大なり小なり商業的成功を連発している状態には持ってこれました。全部の出版が着実な利益をだしており、地道ではあっても主力のコヨーテ、ペンギンパーティ、もっとホイップをといった2000円未満のカードゲームのパワーにプラスできた状態でロングセラー化しています。これだけでも簡単ではなく、この数年はだいぶ頑張ったと自分としては思っているのですが、これだけやってもなお、いかんせん「会社の収支を全て解決できた!」という状態に至るにはなお隔たりがあるのですよね。今後も一つ一つロングセラー目標の出版は続けていくつもりで今も一つ手掛けているのですが、一個出すたびに難しくもなり、あと何個ロングセラー品を作れば会社が良い所まで行くか?というと相当道半ばです。ボードゲームで例えれば、「電力会社」の風力発電所を建てて建てて、これを重ねていけばゲームに勝てるのか?といったような。
こういう状況下で同じく近年にニューゲームズオーダーが頑張ってきたのが物撮りノートやダンジョン折り紙、NSミニチュア、駒のタチキタでの木製駒販売の拡大といった新規・隣接・関連の事業で、これは自分たちがもともとやりたい事であったり、手掛けること頑張ることに対する社内的な納得感の高い仕事です。
「役に立っているだろう」「喜ばれているだろう」という確信、納得感というのは私は勿論ニューゲームズオーダーで働いているメンバーにとっては非常に大切なところで「金にはなってるかもしれないけどしょうもない仕事だな」と思ってしまうことは、根本的には続かないのですよね。役に立っていて喜ばれているなら、で自分たちが得意だったり関係を感じて取り扱うことに納得を感じられるところなら、絶対アナログゲームでなければいけないわけでもない。自分たちがもともとやっている所だけで成り立てばそれは理想ですが、それだけでは足りない時、「もう一個これやろう」と決めてやれるのはどういうものか?というのが、今まさに社内で頻繁に話し合われているものです。
その中で出てきたものの一つが、先日発表したコヨーテココフォリア版もそうですが、デジタル販売の分野です。コヨーテなどは最も典型的なボードゲームのデジタル化なわけですが、必ずしもゲームそのものの販売に限ると考えているわけでも無く、改めて考えてみるとニューゲームズオーダーから生み出すことができる文字情報とか画像とか(音声や映像はわかりませんが)オンラインで販売できるものはいくらか思いついてくるのですよね。元々のアナログゲームの仕事と関わる分野で。なにぶんデジタルコンテンツは自分達自身から生み出せ、いざ空ぶっても死なない(大量の不良在庫が積み上がり資金と倉庫を圧迫するなどが無い)だけに、この局面なら相対的に全然踏み出させていただきたい、という受け止めに今なっております。今までやってきている利益も意義もある仕事に、並行してさらに加えていく形ができれば。結局風力発電の横展開、ウィニー戦法という感じではあるのですが、粘り強くやってまいります。失敗してもケガしないように重ね重ねしていくうちにどれかが伸びたらそこを伸ばせたら良いな、という気持ちも。今年中くらいである程度形を出せていけたら良いなと思います。さしあたりコヨーテココフォリア版、引き続きよろしくお願いいたします。



