
さて、夏も盛りの8月となり気付かないうちに行った仕事が過去になっておりますが、先日リリースさせていただいた「キャント・ストップ2026年版」についてのお話をここでしておりませんでしたね(YouTube配信で大方話したのでそれで済んだ気持ちになっていた)。まあニューゲームズオーダーでのキャント・ストップの取り扱い自体は長く、かれこれ10年以上担当しているので、今回のも外から見るとアップデートくらいのお話ですが。しかし一応自分としてはこの2026年になってようやく一つ、落ち着ける形を作れたかなという気がしています。
ご存じの方も多いとは思いますが、今回のバージョンのアートワーク(ママダユースケ氏のものです)は、我々としては「2個前」のバージョン(2016年版)を基本としています。ニューゲームズオーダーとしての初めてのオリジナルのキャント・ストップ出版だったものですね。ただ今回と異なり、2016年版のボードは布。箱は横長で、ニューゲームズオーダー創業当時の標準サイズでした。改版するたびに多くのタイトルをさらに小型化していったため、今となっては現行で踏襲しているタイトルが減ってきているのですが…セネターズ等のサイズですね。当時はこのサイズでも大幅な小型版キャント・ストップで、最大の特徴としては、国内で作った布製ボードを採用していました。布ボードは箱に収めるには非常に優秀ながらいささかコスト高ではあったのですが…それでも「今までと異なるキャント・ストップ」というアピールをする上でも「布は布で良いな」と感じていただけるのではないか?と当時チャレンジしてみた仕様でしたね。国内でのスピーディな生産を念頭としており、ボードゲームではよくある四つ折りボードを国内で安価に作るのが難しい、ということから選んだという側面もありました。
この2016年版キャント・ストップの在庫が何度目かの品切れをし、権利元のfranjos社にまた増産させてもらいたい旨連絡した所、先方から「次はfranjosが欧州での生産をやめ中国生産でキャント・ストップを作るので、その生産に一緒に乗って欲しい」との要請がありました。結構侃々諤々と交渉したのですが結果としては同意し、2023年にfranjos生産による日本語版をリリースしました。青い箱のもの。作りとしてはベーシックな四つ折りボードとコマ、ダイスのバージョンでしたが、私としては2016年版を好調に売り続けられていただけに、「これがきっかけで売上が落ちたらいやだなあ…」という危惧は小さくありませんでした。ただfranjos版にはプラスポイントもあって、一つにはしっかりと小さめの正方形箱になっていたこと。もう一つは価格が2700円と、2016年版の3500円よりさらに下げることが可能になった点でした。元々思い入れも手応えもあったアートワークを捨てて、より高価格なバージョンへ移行だとだいぶ辛い、というか同意できなかったでしょうが、「それなら」と権利元の事情を受け入れた次第です。ここでキャント・ストップを手放してしまうのがよりマズい事態に繋がることもあるよな、という判断もありました。
そしてこの2023年版在庫を完売でき、さて増産…ということになったのですが、元々franjos社は各国語版を同時生産するタイミングで彼らのバージョンを生産するメリットを試したかったということなので、こちらの増産とタイミングが合うわけもなく(多言語版生産あるあるですが)、気が済んだのか…という言い方をするとなんですが、次の日本語版増産については生産のイニシアチブを再びニューゲームズオーダーに戻すことに同意してくれました。ということで今回の2026年版リリースに至ったという事です。この3年間の間の社内外の状況の変化、最新状況への対応として近年蓄積したノウハウを反映してこのバージョンを作れた、とある程度の手ごたえを持っております。
前述の通りママダユースケ氏のアートワークを復活させる、というのは最初に決めた訳ですが、仕様については、ドラダ以来進めてきた近年のニューゲームズオーダー仕様を採用し2016年版をアップデートしました。一つには箱サイズで、これはドラダ箱の長辺を一辺とした正方形箱にし、厚さもドラダと同じ。ボードについては四分割のパズルボードにして、2016年版の布ボードとほぼ同じ盤面を作りました。コマも2016年版と同じサイズですが、カラーについては調整し、よりアートワークに合うようにしました。沢田にも「思った以上に箱薄いねえ」と言われたのですが、結果的にはこの仕様もご支持いただけたようで、現在好調な売れ行きを達成できております。「やっぱり名作キャント・ストップ、とにかく根強い」というのが第一の感想ではありますが。この仕様と箱の薄さ(体積の小ささ)で、2023年版と同じ2700円での販売を可能にできたのが、何より良かったことかなと思います。この時点の改版で再び3500円になるのは販売上も難しくなる可能性があると思っていたので、「さらりと2700円を維持する」というのが一番頑張った部分ですね。
と、以上の通りです。お陰様でニューゲームズオーダーのここ数年の小箱名作ラインナップに一つ、頼もしい仲間が加わりましたよということで、キャント・ストップ2026年版、引き続きよろしくお願いいたします。
