2024年のNGO振り返っていきましょう。その1。


ドラダ出して以来こちらのブログを放置したまま仕事してましたけども、2024年も終わるよということでニューゲームズオーダー近況のご報告なども久々にするタイミングかなと書き出しております。近年のNGOはホント「特に何かある時以外黙って働いてます」という場面が多いですね。あと月1で(最近2か月に1回とかになってるけど)やるYoutubeのライブ配信(編集したくないからぶっつけでしゃべって済ませているやつ)で話していることでラフに経過をお知らせして満足してしまっているというのもありますが(笑)。たまにはこうして文章にして整理することで特に自分の仕事の振り返りと、ボードゲーム出版(ドイツゲーム出版と言った方が良いかな)周りの環境に対してどう見てるかなど書いておこうかというところです。

まずNGOを取り巻くざっくりとした商業状況で言うと…2021年以降のコロナでどうともならんという状態を、ようやく本格的に抜けたかなという印象です。ちょっとまともな手応えが戻ってきたと言いますか、ホント難しいけどそれでも上手く良い物を出せれば良い感じで売れてくれるのかな、といった感触が久々に得られているという。勿論国内のパブリッシャーの数がめちゃめちゃ増えていて売り場も大混雑ですから、結構上手く出版しても2019年頃のガーン!と飛んでくれるような状況ではないのですが、それは贅沢ということですよね。頑張った所でコロナだし、全然注文してもらえんなあ…、という状態じゃなくなっただけでだいぶ嬉しいです。最近の所で言うと本格的に海外生産に移ったボツワナが予想以上に売れていてまた完売近く、再生産していますが品切れ期間がちょっとできてしまうくらいかなという。あと増産したドラダもまた売り切れ間近で、これは次回から海外生産開始ということで再生産中です。ペンギンパーティあたりは売り上げペースが明らかに上がっていて品切れ、再生産中。次回から生産数を増やすことになりました。…と列記してるとめっちゃ儲かっていそうな話になってしまうのですが、現在ではこういった5~10個の低価格タイトルがNGOの売り上げのほとんどを占めている形になっており、コロナ以前に比べてどうなのかというとまだ最盛期に戻ってくれてるわけではないのですね(笑)。高価格帯については自主的にもう撤退したところがあるので、最新のリアルな商業状況はわからないと言えばわからないです。…ただ控えめに言っても、一筋縄ではいかないんだろうなと(だからこそ撤退したという話もある)。出版タイトルがとにかく多いのもそうだし、高価格化がどんどん極まっているのもそうだし、売れてくれる時間が極めて短くなっていて入れ替わりが目まぐるしいのもそう。ひとたびヒットさせたからとてそれを数年売れるわけでもない、から生産数を絞ってその時売り切らなきゃダメみたいな話になってるように見える。これは非常に厳しいサバイバルバトルだなと思いますし、そもそも私たちの得意な商売でもないし目指す出版でもないという。…時々話に出しますが、私とかそれ以上に沢田のタイトル選択、ゲーム発掘に期待してもらってた向きはドイツゲーム/ユーロゲーム愛好者の皆様からはずっとあったんですが、ホント厳しい領域の割にこのあたりで頑張りたいというパブリッシャー/パブリッシャー希望者の皆様は後を絶たないので、「僕らが無理して人押しのけしてやらなくても…」ともなってしまいどうしてもプライオリティは上がってこないというのが続いていますね。沢田にしてもゲーム出版よりはゲームスタディーズの書籍出版の方が担当足りないしやらんとね、という所なのでしょう。私について言うと書いてる通りボツワナリメイクしたりドラダリメイクしたりするので結構お役に立ててるのではないかなというので。
(あとボードゲームを良くご存じの方向けより、ドイツボードゲーム方向に大いに興味はあるけどまだ右も左もわからんぞという方々のお相手する仕事が一番したいかなというのはあります)
詳しい皆様はご苦労様ですが自力で良いゲームより分けて見つけて遊んでください、あとすごく良いのがあったら教えてください(単に知っておきたいというのとチャンスがあれば遊びたいので)という(出版したいかもしれないというような話にまではなかなか至らないのですけども…)。

とにかく、ドラダみたいなゲームを掘っくり返してきて、商売的にお話になるようなリメイクをして、出して、売って、売り場に居残れるようにし続ける、というだけでもう結構仕事(笑)。頑張っていくつか面倒見るんで他はすいません!という。具体的に言うと、「モダンアート」と「ラー」ってどちらもNGOの担当だと自負しておるわけですけど、現在余裕で売り切れてるんですよね。しかし残念ながらNGOの中でもトップグループ商品というわけでも無いという事実の前に再発するだけでもえらい苦労しているという。ちゃんとやりますが!やる予定ですが!でも前回生産時からの大幅円安と製造コスト増からだけでも、前回のまま普通に再生産すると価格が大高騰して商品としては終わることが確定しているのですよね。何かしら変えざるを得ないという。でも普通のルート選択すると多分魅力弱まって終わるというね。NGOが担当してますと自負していながら自分たちで商品としてのモダンアートとラーを終わらせてしまうのは流石にちょっとボードゲームと言うジャンルに顔向けができなくなるので、算盤勘定の話だけするとそんなことよりコヨーテとペンギンパーティ沢山売るの頑張りなよという話からちょっと目線を外してモダンアートとラーを「商業的にもプラスなんだい」という地点に持っていくために日々唸っています。モダンアートとラー取り扱ってて、なんだかんだ言ってやっぱり大名作、意外と儲かりますわ~と言ってみたい2025。もうこれ出来たら銅像建ててくれ。いや銅像要らないですが。でもムズいですね、ボードゲーム愛好者が広く歴史的名作と認めるモダンアートとラーを売れ筋にできない、これが世の中というものですよね。特にラー。このラーが過去にパブリッシャーを転々として、気付いたらなんか売ってないわーみたいなことが繰り返されてきた経緯、自分で持ってみると「そうかそういうことなのか~」と身に染みてわかります。やった人は面白さをよーく知ってると思うんですが、まだやってない人に選ばれるパワーがおそらく弱いのでしょうね。いやーやんなよで話終わりなんですけどね。今さら言うのも恥ずかしいくらいクソ面白いですからね。とは言え今NGOに在庫無いんですけどね(笑)。数年かけてゆーくり売っていってようやく売り切れた頃にはもう再版条件変わってるというくらいの、全く売れなくもならないけど勝機がある程売れもしない、これがラーの商業的現実ですね。ちょっとこれを無理にでも何とかしたい2025。たいへんですがね!